ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人について語るか。ファミコン向けに作られたドラゴンボールのゲームは初代の「神龍の謎」を除き、ほぼほぼ同じゲームシステムなので、どのシリーズを選ぶか悩んだが、強襲!サイヤ人を選ぶことにした。
ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人は1990年にバンダイから発売されたRPGゲームだった。
飯野賢治氏が言っていたことだが、ゲームには三大悪があり、それは「キャラ物」、「続編」、「移植作品」であると言う。そういう意味ではドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人についは、かなり黒い方に入ると思われるが、僕はこの作品を高く評価している。というのもこの作品には新しい要素が含まれていたからだ。それはカードと言う要素だった。カードの星の数だけ移動でき、戦闘で使う星の数が多いときだけ攻撃でき、流派と呼ばれる真ん中の漢字がキャラクターと一致すると攻撃力が上がる。
恐らくこのゲームシステムはカードダスの発売によるものだと思われる。カードダスの発売が1988年であり、カードシリーズの最初の作品「大魔王復活」も1988年だった。バンダイと言う企業の特徴を更にあげれば、ガンプラを売るためにガンダムを作った。そう考えると、カードダスを売るためにテレビゲームにカードダスの要素を加えさせたと見るのが適切のように思える。
ただし、経緯はどうであれ、このカードバトルシステムはRPGに影響を与え、シリーズを経るごとにゲームの中核となった。というのもこのカードシステムが取ってつけられたようなものではなく、カードがゲームシステムの中心に据えられたからだ。つまり、RPGゲームにおける操作の基本はフィールド移動と戦闘シーンになるが、その際のどちらの操作方法の中心にカードを置いたと言うことにある。このカードシステムがあるおかげで、従来のRPGに比べ選択できる行動は大きく制限された。一方で戦闘中の行動パターン(使用キャラクターにどのような行動をさせるか)は「たたかう」、「まほう」、「まもる」のパターンと比べて多様性は大きく増えた。
こうしたことを考えるとゲームデザインとは「制約」と「選択の多様性」をどのようにデザインするかと言うことであり、その2つは必ずしも比例関係にはないと言うことではないか。更にいうなれば自由度の高いゲームはとは「選択の多様性」が多いゲームであって、必ずしも「制約が少ない」ゲームを意味することではないと言うことではないか。ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人。そういったことを考えさせられるゲームだった。
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