東風荘について語ろう。東風荘はオンラインで対戦できるネット麻雀である。1997年よりサービスがスタートし、いまはiPhone版が出るなどして引き続きサービス継続中だ。
Googleがサービスを開始したのが98年だから、それより以前にあるネットサービスということになる。僕はこうしたドメスティックではあるが継続してサービスを提供しているネット企業には敬意を払わずにいられないのと同時に、麻雀というゲームの堅牢さを改めて実感する。
また当時はインターネット料金定額制などなく95年からサービスを開始したテレホーダイという深夜のみインターネット接続料金が定額になるサービス(回線速度は遅かったが)を利用しているユーザーが多かった。 となると、どういう現象が起こるかといえば、深夜になると皆が東風荘にあつまりコミュニケーションを図り出す。限られた空間だけでなく限られた時間によるユーザーの集積起こるのだ。
現在でもオンラインゲームは過疎ったらおしまい、スタート時に何人会員を集められるかということに多くの意識を払っている。当時のことを思うと、限られた時間という解決策があるのではと思うほどだ。
いずれにせよ、東風荘はインターネットの始まりと共に在り、そして今も存在しているオンラインゲームなのだ。よく東風荘を知らない人はお金をかけずに麻雀をして楽しいのかという疑問があるだろう。 そこで考えだされたレートシステムが、後から出てきた東南荘や他の麻雀プラットフォームからもサービスを守り続けたシステムなのである。
レートシステムとは単純に、麻雀の勝敗によって上下するポイントである。この目標があるがゆえに他のサービスに移行しづらくして、東風荘を守った。そしてこのレートシステムもよく考えられている。ただ単純に青天井のレートシステムではなく、大きく二つの原則に基づいている。「試合数の少ない人は変動が大きい」、「高い人に勝つと大きく上がる、引く人に負けると大きく下がる」だ。単純ではあるが回数をこなすことによって実力があるレートに収束することを念頭において作られたよくできたシステムで、レートが高い人に勝つと達成感がある。
そしてレートシステムがアバターも何もない当時のオンライゲームの個性となったのだ。数値でも個性を表現できるという証明になったも言えるだろう。
現在ではアーケードのオンライン麻雀ゲームやSNSに付随した麻雀ゲームも登場している。それらはよく見てみると東風荘をベースに新たな要素を付け加えている。東風荘はこうしたオンライン麻雀の礎になったのだ。
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