KOF98について語ろうか。『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(THE KING OF FIGHTERS)は、1994年にSNK(現・SNKプレイモア)が発表した対戦型格闘ゲームのシリーズ名でKOF98はその5作品目になる。98のストーリは前作の97にてオロチのストーリーは完結している為にあまり内容の無いものになっている。
だがしかし、アーケードの格闘ゲームに何のストーリーが必要なのか、「KOFは各ゲームからキャラクターが集まった夢の祭典だ」というメッセージが強く感じられる。格闘ゲームにはストーリーは必要かどうかというのは議論の余地があるし、個人的にはストーリーがあり、背景があり、それにより技やキャラクターの性能が決められるべきであると感じてはいるが、夢の祭典の素晴らしさは否定できるものではない。 そしてこの作品がSNKのイメージを決定づけることになった。10年以上、毎年KOFをリリースすることが決まった開発チームの壮絶さは想像するに難くない。
KOFの楽しみは豪華絢爛さであり、キャラクターの詳細な作り込みではない。これはどちらが良いという一概に言えないものであり、これがカプコンとSNKを分けるものだと強く思う。KOFをプレイしてみればわかると思うが、キャラクターのタイプ分類はあるが、多くのキャラクターは少しの慣れで扱うことができる。これはカプコンにもセガにもナムコにも無いことだ。要は豪華にキャラクターをだしたのだから、簡単に多くのキャラクターを使えたほうがいいわけだ。少しにている部分で言えばスト3のブロッキングシステムだ。このシステムは、攻撃を受ける瞬間に前方向を入力することで攻撃を無力化することができるのだが、全てのキャラクターの防御シーンで正解の選択肢となる。
要は防御はブロッキングとなるわけだ。KOFで言えば避けや前転である。そして各種攻撃からの連続技を叩き込む。これが正解の選択肢として全キャラクターで用意されているため、使用キャラクターの変更が比較的用意なのだ。ただし、この正解は、新たな問題を生む。キャラ性能の良さが勝敗に直結するのだ。いわゆるジャンケンのような3すくみの選択では無いため強いキャラクターはひたすら強い。故にシリーズを経るごとに新キャラクターを造らなくてはならないというループに陥る。10年も経てばキャラクター量は膨大になるし、膨大になればなるほど、キャラクターの魅力をアピールすることは難しくなる。今から振り返ってみれば、こうした功罪を入混ぜたゲームがKOFだったと思える。